山の上のパン屋に人が集まるわけ
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『山の上のパン屋に人が集まるわけ』
長野県東御市の超人気店、パンと日用品の店「わざわざ」店主・平田はる香さんの初の著書です。
■健やかに、年商3億円
公共交通機関のない山の上にありながら、年間3万人以上が来店、自費出版が9千部完売、年商3億円。都会でうまく生きられずに、長野の地へ移住した1人の主婦が移動販売から始めたパンと日用品の店が、多くの支持を集めています。
■うまく生きることよりも、健やかでいられる方法を。
どこで売る?(どこでお金を稼ぐのか)
→ 駅前の立地がいい場所ではなく、公共交通機関のない山の上
何を売る?(何をお金に変えるのか)
→ 菓子パンで太ったお客さまを見て、商品を食事パン2種類に
誰に売る?(誰からお金をもらうのか)
→ テレビの特集で押し寄せたお客に対して、「来ないでください」
非常識にも思えるこの経営の根底にあるのは「自分が健やかに働けること、自分の店に来てくださる方が健やかでいられること」という考え方でした。
■心を犠牲にしてまで、守るべき「ふつう」なんてない。
本書の「はじめに」には、こんな文章があります。
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「おかしいことからは逃げ出して、あるいは向き合うべきことに向き合って。その積み重ねで、今の私が、今の「わざわざ」があるように思います。」
パン屋が人間らしい生活をできないのはふつう
売上を長時間労働でカバーするのはふつう
利益を出すために人件費を削るのはふつう
お客さまに「NO」と言えないのはふつう
成功のためにはヒエラルキーに従うのがふつう
そういった、生きる中でぶつかる世間の「ふつう」に対する違和感に1つずつ向き合いながらつくられてきたのが「わざわざ」です。山の上のパン屋に人が集まる理由は、もしかしたら「わざわざ」の正直すぎる姿勢にあるのかもしれません。
■はじめにより
長野県、東御市にある御牧原台地。
私はこの山の上で、2009年から「わざわざ」というパンと日用品の店を営んでいます。
「わざわざ来てくださってありがとうございます」という意味を込めて名付けた店です。
一介の主婦が1人で始めた、パンと日用品の店。
移動販売と自宅の玄関先での販売からスタートして創業14年になる「わざわざ」は、2017年に法人化し、現在では3つの実店舗とオンラインストアを経営。
3億円の売上がある企業へ成長しました。
山の上で始めた小さなパン屋が大きく成長したという事実を見て、「田舎暮らしで夢を叶えた成功者」と思われているのかもしれません。
でも本当は、全然そんなことないのです。
パン屋を始めることになったのは、世の中の「ふつう」にうまく乗れなかった私が、唯一できそうなことだったからです。
幾多の経営本が世の中に溢れる中で、私が本を書く意味が果たしてあるのだろうか。
「辺境地で事業を始めてうまくいった事例」をノウハウとして書く意味はあるのだろうか。
自分に問うた結果、「ない」と思いました。
だから、この本では「心」を記そうと思います。
できるだけ忠実に私の心の変遷を描きたい。
内実に沿った情景を忠実になぞるような言葉を選んで記すことができたならば、それは読んだ人の数だけ形を変え、誰かの役に立つことができるかもしれない。
そう思って、この本を書き記します。
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■書誌情報
定価 :1,760円(本体1,600円+税10%)
判型:四六判並製
頁数:244ページ
発行元:サイボウズ式ブックス
発売元:ライツ社
発刊:2023年4月28日
企画:あかしゆか
構成:土門蘭
ブックデザイン:吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ)
写真:若菜紘之
印刷・製本:藤原印刷
ISBN:9784909044440
■著者プロフィール
平田 はる香
パンと日用品の店「わざわざ」代表取締役社長
1976年生まれ。2009年、長野県東御市の山の上に趣味であった日用品の収集とパンの製造を掛け合わせた店「わざわざ」を1人で開業する。だんだんとスタッフが増え、2017年に株式会社わざわざを設立した。2019年、東御市内に2店舗目となる喫茶・ギャラリー・本屋「問tou」を出店。2020年度には、従業員20数名で年商が3億3千万円に到達。2023年、3店舗目となるコンビニ型店舗「わざマート」、4店舗目となる体験型施設「よき生活研究所」を同市内に出店。
■目次
・「ふつう」が育まれないまま、大人になった
・3日間で逃げ出した就職先
・東京でやっと見つけた「やりたいこと」
・「等価交換」じゃないことが、どうしても無理
・世の中の「ふつう」を試してみよう
・「やりたいことを探す」のをやめることにした
・山の上に店をつくった理由
・偏りもヒエラルキーもない場所
・健康的な働き方とは?
・どこで売る?(どこでどうお金を稼ぐのか)
・何を売る?(何をお金に変えるのか)
・誰に売る?(誰からお金をもらうのか)
・「たかがパン屋」がいい
・自分たちの「ふつう」を守る
・ものを作るときの5つのルール
・「私」から「会社」へ
・はじめての赤字、その原因
・「わざわざ」とは何か、考えた
・もの かね ひと 間にあるのは何ですか
・私たちは、フラットか
・もっとも正しい「かね」のあり方
・全てはその先に「健やかな社会」があるか
・これからの「わざわざ」が提供するもの
・「よき」はそれぞれ
※出版社(サイボウズ式ブックス)より抜粋。
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